やまなみ幼稚園の園庭の捉え方
当園には、メイン園庭、屋上園庭、2階園庭、そして農園園庭の4か所が、園庭としてあります。最近では園庭を基地のようなあそび場にしたり、自然物や木々を園庭に配置したりするような園庭をもつ幼稚園もありますが、当園では、それぞれの園庭を活動によって使い分けています。
メイン園庭

当園内にあるメイン園庭では、子ども達が走り回って遊べるように、活動スペースが広くとれるようにしています。そのため、園庭内には遊具だけの配置にしてシンプルにしています。一昔前の園庭に思えますが、子ども達が広々と集団遊びができるように、敢えて多くの手は加えずに、走り回って遊べるスペースを確保しています。年少児から年長児までが、園庭で思いっきり活動できるだけではなく、時には、三輪車やスクーター、竹馬などを使って遊ぶこともあります。そのようなことから、園内のメイン園庭は子ども達がダイナミックにそして、自由に活動できるスペースを確保したものとなっています。また、園庭にある小さな築山では、夏には泥あそびなども行います。砂場は晴雨に関係なく、遊べるような構造にしています。遊具の下には、分厚いゴムマットと人工芝を敷いており、遊具からの落下によるケガを防ぐことができています。しかしこのような安全な環境であるから、子どもにとって教育的に良い環境であるとは必ずしも言えません。本来は、遊具から落ちてもケガをしないような危険回避能力を付けることや、遊具から落ちないような体力をつけることが教育的には大切なことであると思います。

2階園庭

2階園庭では、夏の間は大きなプールが設置され、プール専用のスペースとなりますが、夏以外の季節では、乳児クラスのあそび場となります。この2階園庭全体は、ゴムチップで覆われており、乳児にとっても安全なあそび場です。時には、2歳児の子ども達が2歳児用のスクーターで遊ぶこともあります。当園では、できるだけ、異年齢で遊ぶことで、子どもの人間関係の広がりと深まりを育めるような環境設定にしていますが、スクーターを使った遊び等では、乳児クラスと幼児クラスとでは活動スペースを分けています。この理由は、一緒にすることで、大きなケガに発展してしまう恐れがあるからです。年長児が走り回っているところで、2歳児がゆっくりと三輪車を漕いでいると間違いなく事故が起こってしまいます。子どもの人間関係を広げていくことは大切なことですが、子どもの安全を守ることはそれ以上に大切なことだと思います。また、3歳以上の子ども達も、造形活動などをこの2階園庭で行うこともあります。

屋上園庭

当園の屋上には、屋上園庭があります。そこは、芝生が一面に敷かれ、四季折々の草花とハーブが咲いているガーデンとなっています。ガーデン内には風力発電と太陽光発電を取り入れており、数か所、電気コンセントを設置し、風力と太陽光で発電した電気を利用できるようにしています。ここでは、四季折々の草花だけではなく、目に見えない電気を自然の力により子ども達にもわかるように説明しています。具体的には、電気コンセントを使って音楽を流すなどして、風や太陽が起こしてくれた電気で、この音楽がなっていることを伝えます。これらにより自然の偉大さや不思議さに気付く機会となっています。また、屋上園庭に、虫や花を見に行ったり、造形に使う葉っぱを探しに行ったりすることで、身近な自然や季節の移り変わりに気付くきっかけにもなっています。

農園園庭

当園では専用農園で、さまざまな自然活動を行っています。広大な農園では、農作物を育てて収穫し、それらを食するという活動を行っています。用意されたものを取ってくるだけの活動ではなく、草抜きなどの労作を通して、感謝の気持ちが育ってくれることを期待しています。また、耕耘後の農地で、土遊びをしたりします。今までにない土の感触を味わい、思う存分、どろどろになって心を解放して遊ぶことができます。これは、なかなかできない貴重な体験となっており、子ども達の笑顔がたくさん見られる活動の一つとなっています。
この専用農園では、農業法人との契約により、さまざまな自然活動プログラムを実施し、広大な土地が、子ども達が心を解放して遊べる園庭として機能しています。詳しくは、「やまなみ自然活動プログラム」をご覧ください。