研究・実践発表
2023.09.26
広島大学で教育学博士の学位を取得しました
長年、子育て支援や発達支援の研究を行ってきましたが、この度、広島大学で博士論文が認められ、博士(教育学)の学位を取得することができました。博士論文は、保護者の皆さんが保育実践に関わり、保育者とともに保育を作り上げていく過程を分析し、保護者と保育者との関係を再考する契機となるような論文内容です。A4にして200枚を超える分量となりました。研究デザインは質的研究を大枠としながらも量的研究を補完的に用いて研究を行いました。
本論文は下記の点において、高く評価されました。
1.保育参加が保育者と保護者の関係性に寄与するためには,保護者を主体としながらも保育者を支える取り組み体制を保育参加に整える必要性があることが示された。
2.保育参加で保護者と保育者が活動を共にする過程において,保護者からの返報が保育者の学びを拡張させ,両者の関係性が縮まる可能性が示された。
3.保育参画に関する保護者と保育者が望む形態が明らかになり,保育実践において両者が企画立案から協働できる可能性が示された。これにより,PTAに関する諸問題の解決や保護者の保育実践への参加意欲を反映させる子育て支援の実現に寄与できると考えられた。

今後は今以上に、保育実践を勘や経験だけに頼らず、根拠を伴ったものとなるようにしていきたいと思います。
研究に協力していただいた保護者の皆さんや関係者のみなさんにこの場をお借りしてお礼申し上げます。

やまなみ幼稚園 理事長・園長 田中 文昭